腎・泌尿器センター

腎・泌尿器センター

特色

高齢化社会にともない腎・尿路系の疾患が急増しています。この領域の疾患をより機能的にまた総合的に診療できることを目的に腎・泌尿器センターを開設いたしました。泌尿器科と腎臓内科および血液浄化センターのスタッフが連携し、慢性腎臓病に対する予防医療や末期腎不全医療および泌尿器外科疾患など、腎泌尿器系疾患全般につき多面的に効率のよい医療を提供いたします。

腎臓内科

当院では透析センターから血液浄化センターへと名称を新たにし、血液透析のみならず種々の血液浄化に取り組んでいます。血漿交換や、LDL吸着、白血球吸着など、その適応疾患はリウマチ、潰瘍性大腸炎、家族性高コレステロール血症、慢性閉塞性動脈硬化症など、腎疾患以外の疾患にも多く適応されます。
当院腎臓内科、血液浄化センターともに地域の先生方との連携をとりながら、慢性腎炎から透析医療まで幅広く診療にあたらせていただきます。腎臓に心配や不安がありましたら、必ずかかりつけ医か当科を受診しご相談ください。

泌尿器科

当科は常勤医師3名、外来は月曜日から土曜日(第三土曜日は休み)の午前中で2診体制で行っており、泌尿器科領域全般について診療しています。状況に応じて膀胱鏡検査、超音波検査などは受診当日に行い、尿路造影等の画像検査は予約制ですが、原則的に撮影当日に結果を説明するようにしています。手術日は基本的に(月)・(木)・(金)で、泌尿器科領域全般の手術をスタンダードな方法で行っております。近年注目されている腹腔鏡下手術も副腎・腎臓摘出の適応例に行っています。これら入院治療にあたっては、できるだけ均質で安全な医療を提供できるよう、クリニカルパスを用いて行っています。

主な疾患は下記のとおり尿路(腎臓、尿管、膀胱、尿道)、男性生殖器(前立腺、精巣、陰茎)、副腎などの疾患について診療を行っています。

・尿路生殖器の癌
副腎癌、腎癌、腎盂癌、尿管癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣癌など

・結石
腎結石、尿管結石、膀胱結石など

・尿路生殖器の感染症

腎盂腎炎、膀胱炎、尿道炎、前立腺炎、精巣上体炎など

・泌尿器内分泌疾患
副腎腫瘍、クッシング症候群、原発性アルドステロン症など

・その他疾患
神経因性膀胱、尿失禁、前立腺肥大症など

診療内容

腎臓内科

1.腎臓病

腎臓病は急性のものから慢性のものまで様々な種類があり、軽度なものから透析に至るものまであります。ほとんどの場合、痛くも痒くもなく、多少疲労感が出ることがあっても自覚症状に乏しく、つい見逃してしまう病気でもあります。そのため自覚症状が出現した時にはもう手遅れで、腎不全(腎機能が低下した状態)で尿毒症になっており、一生涯透析が必要となってしまうのです。
尿蛋白陽性などの腎疾患の存在を示す所見や腎機能低下が、3か月以上続く状態のことを、慢性腎臓病といいます。近年この慢性腎臓病対策を進める取り組みが全世界的に進んでいます。なぜなら、慢性腎臓病は末期腎不全や心血管疾患の大きな危険因子だからです。蛋白尿があるだけで心筋梗塞や脳卒中で死亡する確率が高くなるのです。そしてまた慢性透析患者は現在30万人を超え、日本国民の420人に1人が透析療法を受けています。透析導入の最大原因である糖尿病性腎症が増加しているため、今後も透析患者数の増加が予想されます。慢性腎臓病対策の必要性は透析患者数の減少、心血管疾患の減少の観点から緊急課題となっています。これには慢性腎臓病の早期発見、すなわち検尿の必要性が重要視されます。検尿異常は症状がなくても必ず、かかりつけの先生を受診されるか腎臓専門医を受診して下さい。

泌尿器科

1.尿路悪性腫瘍(膀胱癌、腎盂癌、尿管癌)

・膀胱癌
   早期癌⇒内視鏡的に切除
   浸潤癌⇒外科的に膀胱を摘出

膀胱を摘出すると尿の通り道をつくるため尿路変向術が必要になります。病状にもよりますが可能であれば腸を用いた新たな膀胱を作成する術後のQOL(生活の質)を考えた自然排尿型の代用膀胱造設術も行っております。また、膀胱癌は再発を繰り返すため膀胱内への薬物注入療法を行い、化学療法も外来または入院の上行っております。

・腎盂尿管癌:治療方法は腎尿管を全摘する必要があります。

  膀胱癌と同様に追加治療として化学療法も行っております。

2.腎臓癌

腎臓に発生する癌です。
  治療方法⇒可能な限り外科的切除を行います。
  ・小さい癌⇒腎機能の温存のため腹腔鏡にて腎部分切除術を積極的に行っています。
  ・大きな腎癌⇒開腹や腹腔鏡にて腎臓摘出を行っています。
術後、摘出した腎臓の病理所見の結果や転移がある場合、また手術適応がない進行癌には分子標的薬や免疫療法薬を用いた治療も積極的に患者様のQOLを考慮し行っております。

3.前立腺癌

最近、検診や人間ドックでPSAという血液の検査で異常と言われて外来にくる方や排尿障害で受診されPSAを測定したところ高値を認め、結果的に前立腺がんと診断される事が多いです。PSAは前立腺特異抗原(prostate specific antigen)の略です。 PSAが4を超えるとがんの可能性が高くなります。PSAだけでなく泌尿器科の医師が指で触る直腸診、超音波やMRIで見られる異常があれば検査を行うこともあります。
PSAが高い場合、前立腺生検を行い確定診断を行います。当院では患者様の安全を考え、通常1泊の入院で行っております。
基本的に12ヶ所の生検を行っております。癌の拡がり、悪性度、患者さんの基礎疾患・年齢などに応じて、手術療法、放射線療法、ホルモン療法などを選択し、治療を行っております。手術は前立腺全摘除術を行います。
ロボット支援手術や、小線源治療などをご希望の患者様は、提携大学などの他施設への紹介も可能です。

4.副腎腫瘍

クッシング症候群、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫などの副腎疾患の手術を腹腔鏡下で行っております。

5.尿路結石症

突然の激しい腰やお腹の痛みを伴います。
当院では内服治療で排石しない時は、結石の位置や大きさで衝撃波結石破砕装置(ESWL)または内視鏡下に石を砕く手術を行っています。

6.前立腺肥大症

夜間何度もトイレに行く、残尿感、尿の勢いが悪い、といった症状から、ひどい場合は尿が出なくなることもあります。診断のために尿の勢いや残尿を測る検査や、前立腺エコー等で前立腺の大きさを測る検査を行います。
治療は薬物療法と手術療法の2つに分けられます。
手術療法は最も一般的である経尿道的前立腺切除術(TUR-P)を行っております。薬物療法は尿道を拡げる薬に加え、必要に応じて男性ホルモンに作用する5α還元酵素阻害剤を併用します。患者様の希望や年齢を考慮し一番良い治療を選択します。

7.神経因性膀胱、過活動膀胱

症状に応じて薬物療法を主体に治療を行っております。

8.尿路感染症

膀胱炎、腎盂腎炎、精巣上体炎、前立腺炎、尿道炎などに対して外来または入院で治療を行っています。

9.尿失禁、骨盤臓器脱

基本的に薬物療法が主体です。症状に応じて手術も行います。

認定施設

  • 日本内科学会認定医制度教育病院
  • 日本透析医学会専門医制度教育関連施設
  • 日本腎臓学会研修施設
  • 日本アフェレシス学会認定施設
  • 日本泌尿器科学会専門医教育施設

スタッフ紹介

今西正昭
今西 正昭(いまにし まさあき)

 こんにちは。

専門領域
泌尿器科/腎移植
尿路悪性腫瘍
専門医・認定医
日本泌尿器科学会専門医・指導医
日本透析医学会透析専門医
日本移植学会移植認定医
日本臨床腎移植学会腎移植認定医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
所属学会・資格等
日本泌尿器科学会
日本透析医学会
日本移植学会
日本臨床腎移植学会
米田雅美
米田 雅美(こめだ まさみ)

 こんにちは。

専門領域
腎臓・血液透析
高血圧・膠原病
専門医・認定医
日本内科学会認定内科医
総合内科専門医
日本腎臓学会専門医・指導医
日本透析医学会専門医・指導医
日本アフェレシス学会
血漿交換療法専門医
日本老年医学会専門医・指導医
日本腎代替療法医療専門職推進協会
日本腎代替療法専門指導士
多発嚢胞腎協会PKD認定医
所属学会・資格等
日本内科学会
日本透析医学会
日本腎臓学会
日本アフェレシス学会
日本老年医学会(代議員)
畑中祐二
畑中 祐二(はたなか ゆうじ)

 こんにちは。

専門領域
泌尿器科/泌尿器科全般
尿路結石
専門医・認定医
日本泌尿器科学会専門医・指導医
日本がん治療認定医
所属学会・資格等
日本泌尿器科学会
尿路結石症学会
小児泌尿器科学会
玉井 健太郎(たまい けんたろう)
専門領域
泌尿器科
専門医・認定医
日本泌尿器科学会専門医
所属学会・資格等
日本泌尿器科学会 日本集中治療医学会
今西 茜衣里(いまにし あいり)
専門領域
腎臓内科
専門医・認定医
日本内科学会認定内科医
所属学会・資格等
日本内科学会
日本腎臓学会
日本腹膜透析医学会
日本透析医学会
緩和ケア講習会修了
中心静脈穿刺手技講習会修了

外来担当医表

腎臓内科:

時間帯
午前米田
(紹介のみ)
米田
(診療開始10時)
米田今西(茜)有馬
午後
(予約制)
*米田第2
*腹膜透析外来
予約制

*米田

泌尿器科:

時間帯
午前畑中
交代制
今西
交代制
玉井
交代制
今西
交代制
畑中
交代制
交代制
午後
(予約制)
*手術*検査*検査*手術*手術
*検査
*処置